2009年4月25日土曜日

鬼哭街

『手には一刀、斃すは五人…
 魔都上海に報仇雪恨の剣が哭く!』
(文庫版「鬼哭街 紫電掌」口絵より引用。)


虚淵作品を紹介しようシリーズ(笑)今回は鬼哭街です!
物語の大筋は復讐劇。
兄弟子に裏切られ、最愛の妹を奪われ自らも生死の境を彷徨った主人公。
彼が狙うのは「金剛六臂」「羅刹大后」「網絡蟲毒」「百綜手」「鬼眼麗人」の五人。
いずれもサイバネティクス技術の粋を集めて自らの能力を強化した危険なサイボーグだ
対する主人公は生身の人間で、武器は一振りの日本刀と修めた武術のみ。
しかし、その奥義は一撃で全ての電子機器を破壊する電磁発勁。
人を彼は「紫電掌」と呼ぶ-。

作品の魅力の一つは多彩なアクション。
敵のサイボーグが様々な機構で繰り出す攻撃を、主人公が武芸の冴えと機転で受け止める展開は、
王道の連続勝負モノ風で体温上昇疑いなし!
何度となく「そーきたか!」と瞠目しまたよ…。
さらに、物語が進むにつれ徐々に明らかになっていく未来の技術とかも素適に燃える!
空を飛ぶクルマとかって最近見ないじゃないスか!

もう一つはもちろん主人公のキャラクター。
妹のために復讐の鬼になる…ってのは王道なんだが、その鬼になりっぷりがスゴイ!
無辜の市民を巻き込まないとか、昔の仲間は大事にするとか、一切ナシ!
ありとあらゆる手段を使って仇の五人を追い詰めていく様はまさに…
引く人もいるかもしれないけど、ワシはツボでした
もちろん、主人公は自らの非道を自覚し、傷つき、苦悩します。
ここ重要!自覚ないと単なる迷惑な正義の味方だからねっ!(…まあ、結果は変わらんがな。)
それでも妹のために進む…敵の、そして自らの血にまみれて哭きながら…おおう、萌える
(相変わらず業が深くてスイマセン…わはは。)
―にしても、目的のために全てを犠牲にするってのに憧れがあるんだな、ワシ。

物語の展開も泣かせます…最も重要な妹の行方に関しては沈黙しとく(笑)

あと、ヴィジュアルノベルならではの演出も、ストーリーを盛り上げてます。
音と画像と文章が相互に補完しあって作り上げる世界は小説で読むのとは全く違う魅力がありますね~!