2009年6月28日日曜日

沙耶の唄②感想1BAD END


はい「沙耶の唄」話、第二回でございます。
―とはいっても、何か鋭い考察とか的確な講評とかそんなものとは縁がありません。
単なるファンの感想になってますので、暇な人だけ呼んでください。
(まあ、このブログ自体そんなモノなんで何を今更、でもあるけどな。)

↓以下「沙耶の唄」本編のネタバレがあります。↓
ご注意ください。

とりあえず今日の所はワタクシが勝手にBAD ENDと呼称してます、分岐1で「取り戻したい」を選んだ際のエンディングとそこに至るまでのシーンについて語りたいと思います。

プレイしてみてちょっと驚くのは視点の移動が巧妙に、的確になされているところ。
主人公に感情移入を強制しない作りになってるんだよね~。
ホラー映画風に読み解いてみれば”恋人と友人を変わり果てた親友に殺される”という耕司が「主人公」なほうが自然なのかもしれない…つか、そうなった場合が「人間勝利エンド」(←スマンまた勝手に命名)なわけで。

それにしても、このストーリー展開は…なんどやってもタメ息ものだなぁ、美しい。
郁紀の境遇とか、エピソードの順番とか考えぬかれた配置になってる。
なにより、肉体的に元に戻る事が可能になった時点で、社会的には「元に戻る」ことが不可能なトコまで追い込まれてるあたりがプレイしてて快感。
んで、そこで挿入される選択肢…。
初プレイ時は迷わず”行った”モンね!計算ヌキ!
(「外堀から埋める」プレイを心がけつつ、真中を突っ走ってしまうヒトです…わはは。)

上手いビジュアルノベルには選択肢を「迷わず選ぶ快感」ってのが必ずあると思うんですよ。
プレイヤーの心情をストーリーとか演出で既に盛り上げておいてから、あえて聞くわけだ。

”どうする?”って。

「んな事決まってんだろおおおお!!」と絶叫しながらも、「自分で選んだ」事によって作品と物語とキャラクターに対する感情がスゴイ勢いで上がるんだよね~!
ゲーム全般にある愉悦だけれども。
(例えばスパロボ自分の好きなキャラの技を自分で選んで出せるって快感が根底にあるし。)

さて、思わず「取り戻したい」を選んでしまった場合、郁紀クンは白い部屋に閉じ込められるワケです。
殺人犯として。
しかし…ここで「沙耶の唄」という作品、あんど郁紀をより好きになったのは、彼がこの結果を後悔していないと言うこと。
いや、ちょっと表現が違う…沙耶の事を恨んでもいず、沙耶との日々を否定もしていない事、かな。
彼が仄かな痛みとともに思い出すのは「僕に迷いがなければ、沙耶も勇気を出せたはずだ」と言うことだけなのです。

そして沙耶との再会と別離。
携帯電話のメモ機能をつかって交わされる二人の会話は互いへの想いと優しさに溢れながら、決定的な距離を感じさせ…やばい、また泣けてきた。
愛していながら、側にいられなかった。
ああ、いや…やっぱ一片の文章で表現しようってのがそもそも野暮なんだな(笑)

沙耶と別れ、人間の世界に戻ってきたとき、彼の居場所はすでに「白い部屋」しか残っていませんでした。そこで静かに沙耶を想う彼の姿は…だから言葉にできないってば!(逆キレ?!)

とにかく、「ガラスのくつ」が流れた時にはもう涙でテキスト見えてませーん!(笑)
210611