2009年5月29日金曜日

昼寝

何をする気もおきない時がある。
新しいことはもちろん、大好きな本すら開く気になれない。
外出なんてもってのほか。
パソコンの電源をつけることすら徒労に思える。
なにもかも、無駄に思える。

―無駄なことなど一つもないし、
 仮に無駄だったとしても僕らは行くしかないのだが―

そんな当たり前の事さえ信じられなくなる時。

これはもう、寝てしまうしかない。
物理的(肉体的?)に眠いかどうかなど瑣末な事だ。
何しろ、他に何をする気もない。
したいこと、しなければならないことがあったような気もするが、信じられない。
なんとかプレーヤーだけはセットしてベッドに落ちる。

電気もつけたまま、布団なんぞ何処にあるのかも知ったことじゃない。
なんとなく音楽がなっているが、音がバラバラに聞こえる。
なんの曲かもわからない。
わずらわしくもあるが、起き上がるのも億劫なので、ほっておく。
起きてるのか、眠っているのか。
どちらでもいいし、どのみち意味はない。
頭蓋の中につまった益体もない泥の塊。
皮袋の中は、濁った油。
暑さ寒さにだけ、緩慢に反応する。

…しばらくすると、歌詞の欠片が耳に入ってくる。
連続した歌には聞こえない。
あー、やっぱり半分寝てるんだなーとか、本当に無意味な思考。

…またしばらくすると、なんとか歌の半分くらいは認識できるようになる。
サビの部分とか。
なんとか歌を聴くかっこうになれる。

…さらにしばらくしてイントロで歌がわかるようになる。
まあ、自分のプレーヤーに入ってるお気に入りの曲だから当たり前なんだが。
歌詞に反応して起き上がり、一緒に歌ってみたりする。
よし、なんて呟いてみたりして。
何が好いのかはよく分からんが、とにかくも起き上がった。

プレーヤーの曲全部流しても起き上がれなくなる時があるのかもしれない。
ま、そん時はそん時だ。