カク昭、という武将をご存知だろうか?
(なんでカタカナやねーんと思うのだが、僕の拙いパソコン知識ではいかんともし難い。)
第二次出師の表からはじまる孔明の北伐行において、要害・陳倉城を守り抜いた魏の将軍であり、コアな三国志ファン(特に魏ファン)の間では、スーパースター孔明に苦杯を飲ませたと言うところで名高い。
吉川三国志では王双に美味しいところ持っていかれた感があったが、横山三国志においては大活躍。孔明の繰り出す新兵器(笑)との戦いは後半の名シーンと言って良かろう。
とは言え、あくまで“コアな”武将であったはずなのだが…。
まさか、小説の主人公として登場するとは思わなかった(爆)
『ぼっちゃん 』(ISBN9784054036420)
(著/河原谷創次郎)
そう本日紹介する『ぼっちゃん』の主人公は我らがカク昭将軍なのだ!
新刊で入荷した時は、店内の三国志好きに触れ回ったものである。
みな、同じような笑みを浮かべてたが…「やるな」&「それにしても」が混じった感じの。
しかーし、
はっきり言って面白い!
どーせイロモノ、マニア受けだろうと思っていたが、この本でカク昭の名を初めて知った人でも大丈夫!(三国志の一般知識はないと厳しいか…?)
雰囲気を盛り上げるディティールの細かさはもちろん、様々なスキルを持ったキャラクター達が互いに助け合って城を守りぬく様は戦争ドラマの王道そのもの!
「大統領だってぶん殴ってみせらぁ!だが、飛行機だけは勘弁な。」
-の、ノリである(笑)
架空の息子の視点から書くことによって自然に魏側に感情移入させつつ、偏らない描写も好感が持てる。(孔明の扱い方が上手いと思うのだが、どうかな?)
合戦もの、軍記もの、そして三国志好きなら安心して読める佳作。
お値段に関しては…まあ、ご祝儀ということでな(笑)