一台のヘリコプターが盗まれた。
組み込まれた最先鋭の技術がヘリコプター”ビッグB”をある場所まで誘導する。。
そこは原子力発電所の真上、高度二千メートル・・・。
しかも、”ビッグB”には一人の少年が乗っていた。
それは、犯人すら予想していなかったアクシデントだった。
読み出すと、時間を忘れて最後まで手放せない本が何冊かある。
この『天空の蜂』もその一つ。
食事中手元にあったから読み始めたら・・・もう夕方ですよ。あれ?いつの間に?
「これからどうすんだよ!」
―と、読者に思わずつぶやかせるような状況をあっという間に作り上げ、それを一つ一つといていく手腕は東野なら当然とも言えるが(でも凄いよ!)この作品の魅力は登場する多数のプロフェッショナルの働きっぷりにあるのだ。
盗まれたヘリコプターの関係者はもとより、原子力発電所の職員、犯人を追う警察官、自衛官などなど。
”天空の蜂”を名乗る犯人を含めた彼らが自らの技術と英知を駆使して鎬を削る様はカッコイイ!!の一言。色々じらし方も上手いんだよね~・・・ああ、東野、好きなの~!(へなへな)
もちろんカッコイイ痛快爽快だけでなく、油断していると鋭いテーマに不意を付かれて呼吸が止まったり。それもまた東野技。
”天空の蜂”・・・彼らは、いったい何と戦っていたのか。
ネタばれはさけたいのだが、一つだけ。
”天空の蜂”
彼の敵手とは・・・それは僕ら共通の敵なのではないだろうか。